2022年
電子情報通信学会
総合大会

オンライン開催
2022年3月15日(火)〜18日(金)

持続可能な未来を拓く電子情報通信

プレナリーセッション

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3月17日 9:00-9:30
学会会長挨拶
石田 亨 氏 電子情報通信学会会長
「連携の時代の電子情報通信学会」
     9:35-10:20
表彰式
学術奨励賞授賞式・教育功労賞授賞式・フェロー称号贈呈式
     10:20-10:30
休憩
     10:30-12:00
基調講演
1)鈴木一史 氏 新潟大学農学部 教授/新潟大学日本酒学センター センター長
「新潟大学「日本酒学」の挑戦」(10:30-11:15)
2)山口芳雄 氏 新潟大学名誉教授 • 自然科学系フェロー
「偏波レーダによる地球観測の研究」(11:15-12:00)
石田 亨

石田 亨

電子情報通信学会会長

1976年3月 京都大学工学部情報工学科卒業
1978年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
1978年4月 日本電信電話公社横須賀電気通信研究所入所
1991年7月 日本電信電話株式会社 NTT コミュニケーション科学研究所主幹研究員
1993年7月 京都大学工学部情報工学科教授
1998年4月 京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻教授
2019年4月 早稲田大学理工学術院創造理工学部教授(現在に至る)

教育活動では 40 余名の課程博士の主査を務めるとともに,京都大学情報学研究科社会情報学専攻や京都大学デザインスクールなど,分野横断型の教育組織の創設に貢献した.この間,ミュンヘン工科大学,パリ第六大学,メリーランド大学,上海交通大学,清華大学などの客員教授,日本学術会議会員,JST さきがけ「情報環境と人」研究総括などを経験している.研究活動では,人工知能,特にマルチエージェントシステムと呼ばれる研究分野の立上げに尽力し,トップカンファレンスAAMAS(Autonomous Agents and Multi-Agent Systems)の第 1 回 General Chairを務めた.その後,ディジタルシティ,言語グリッド,異文化コラボレーションなど情報技術と社会をつなぐ研究プロジェクトを推進し,人工知能学会業績賞,電子情報通信学会業績賞,同功績賞,文部科学大臣表彰(科学技術分野)などを受賞した.学会活動では,電子情報通信学会,情報処理学会,人工知能学会,社会情報学会の理事を計 7 期務め,電子情報通信学会,情報処理学会,IEEE からフェローを授与されている.

連携の時代の電子情報通信学会

社会のあらゆるセクタで連携の重要性が認識されてから20年ほどが経過しまし た。この間、産学官連携、異業種間連携、オープンイノベーションなど、様々な連携の形態が生まれてきました。その背景には、社会が向き合う課題が一つの専門や業種では解けないほど複雑になってきたためと思われます。ネットワークで世界がつながり地球規模の制約条件があらわになったことも原因でしょう。SDGsもそうした社会課題を扱っています。

一方、学会は専門分野の振興を目的とする団体です。本会は、電子情報通信という専門分野に関心がある研究者・技術者が集まり、ソサイエティやグループを形成し、それぞれが多くの研究専門委員会によって構成されています。しかし、専門で集まった会員の関心が社会課題に向かうと、その解決は専門に閉じなくなります。専門で分化した学会は、この矛盾にどう向き合えばよいのでしょうか。本講演では、電子情報通信学会の最新の活動を紹介すると共に、連携の時代に向けた学会の課題と方向性について議論させて頂ければと思います。


鈴木一史

鈴木一史

1988年 新潟大学農学部農芸化学科卒業
1990年 新潟大学大学院農学研究科農芸化学専攻修士課程修了
1990年 明治製菓株式会社 薬品開発企画部
1996年 新潟大学大学院自然科学研究科博士後期課程入学
1999年 新潟大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了 博士(農学)
1999年 日本学術振興会特別研究員
2000年 Univ. North Texas HSC at Fort Worth, Postdoc.
2002年 Emory University School of Medicine, Postdoc., Research Associate
2006年 新潟大学農学部 准教授
2018年 新潟大学農学部 教授(現在に至る)
2020年 新潟大学日本酒学センター センター長(現在に至る)

専門は応用微生物学、分子微生物学。細菌の小分子RNAによる遺伝子発現調節機構が研究のメインテーマ。2018年公益財団法人長瀬科学技術振興財団振興賞を受賞。カニ・エビの甲殻を形成する不溶性多糖・キチンを分解する細菌のキチン分解酵素とその発現制御機構の研究も実施している。日本酒関連では新潟県醸造試験場との共同研究により藤の花からの野生酵母の分離と育種を実施した。現在、その酵母による日本酒が製品化されている。また、日本酒製造過程に関わる微生物の研究も実施している。

新潟大学「日本酒学」の挑戦

新潟といえば米、雪、そして日本酒を連想するのではないでしょうか。新潟県の日本酒の酒蔵数は88と全国一位であり、また、新潟県には日本酒の研究に特化した新潟県醸造試験場があり、新潟淡麗の日本酒を支えています。この新潟の地で、新潟大学は「日本酒学」という新しい学問の確立に向けて動き始めました。日本酒に関連した学問分野というと醸造学・発酵学を思い浮かべることと思います。しかし、「日本酒学」は広範な学問を網羅する「対象限定・領域横断型」であり、日本文化や伝統に根差した日本酒に対象を絞った世界初の学問領域です。「日本酒学」の取り組みは2017年の新潟県、新潟県酒造組合、新潟大学の3者連携協定締結によって始まりました。2018年にはいわゆる教養科目として「日本酒学」の講義を開講し、現在では新潟大学の人気の講義の一つとなりました。同年、「日本酒学センター」が設立され、2020年には学長直下の全学共同教育研究組織となり、新たなスタートを切りました。これまでに学生向け教養科目および市民向け公開講座の開講、日本酒学シンポジウムの開催、ワイン学で有名なフランス・ボルドー大学との大学間交流協定の締結などの多くの活動を行ってきました。ここでは、「日本酒学」とはどのような学問なのか、取り組みの経緯、新潟大学日本酒学センターの活動内容、今後の展開など、新潟大学発の「日本酒学」について紹介いたします。


山口芳雄

山口芳雄

新潟大学名誉教授 • 自然科学系フェロー

1976年3月 新潟大学工学部卒業
1978年3月 東京工業大学大学院修士課程修了
1978年4月 新潟大学工学部助手
1988年6月 - 1989年6月 米国イリノイ大学シカゴ校研究員
1989年7月 新潟大学工学部助教授
1995年4月 新潟大学工学部教授
2019年4月 新潟大学名誉教授 • 自然科学系フェロー(現在に至る)
産業技術総合研究所客員研究員(現在に至る)
電子情報通信学会 (正員’78, F’07), IEEE membership (M’81, SM’94, F’02, LF’20), 2008 IEEE Geoscience and Remote Sensing Society Education Award, 2017 IEEEE GRSS Distinguished Achievement Award, 2013 IEEE IGARSS Prize Paper Award, 電子情報通信学会・通ソ・チュートリアル論文賞(2007, 2019)受賞.著書: 「レーダポーラリメトリの基礎と応用」電子情報通信学会, 2007,「Polarimetric SAR Imaging, Theory and Applications」 CRC Press, 2020 など.

偏波レーダによる地球観測の研究

地球環境の観測手段として,レーダを使ったマイクロ波リモートセンシングがある.電波は目に見えないが,その伝搬特性から昼夜を問わず,天候に左右されず,広い領域を同時に観測できる利点がある.さらに電波のベクトル性質(偏波)の情報をうまく使うとレーダの散乱データを人間にわかりやすいカラー画像にできる.ここでは,今まであまり利用されてこなかった偏波情報を利用し,電波の散乱メカニズムに対応したカラー画像生成に関する事柄を述べる.実際の地球観測衛星や航空機に搭載された偏波レーダによる観測例を紹介する.また,研究を通じて,地方のメリット,人との関わりの大切さなどの経験談を交えて,気楽なお話しをしたい.

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