2021年
電子情報通信学会
総合大会

オンライン開催
2021年3月9日(火)〜12日(金)

新しい生活様式の社会を支える電子情報通信

プレナリーセッション

オンライン開催

3月11日 9:00-9:30
学会会長挨拶
笹瀬 巌 氏 電子情報通信学会会長
「3度目のニューノーマルに向けた、電子情報通信学会における活性化・改革への取り組み」
     9:35-10:20
表彰式
学術奨励賞授賞式・教育功労賞授賞式・フェロー称号贈呈式
     10:20-10:30
休憩
     10:30-12:00
基調講演
1)阪口 啓 氏 東京工業大学 工学院 教授/東京工業大学 超スマート社会卓越教育院 教育院長/株式会社オロ 社外取締役
「5Gが切り拓く超スマート社会 〜オープンイノベーションとオープンエデュケーションの融合〜」(10:30-11:15)
2)高安 美佐子 氏 東京工業大学教授/東京工業大学ビッグデータ数理科学研究ユニットリーダー
「ビッグデータに基づく社会・経済の科学とその応用」(11:15-12:00)
笹瀬 巌

笹瀬 巌

電子情報通信学会会長

1979年3月 慶應義塾大学工学部電気工学科卒業
1981年3月 慶應義塾大学大学院工学研究科電気工学専攻修士課程修了
1984年3月 慶應義塾大学大学院工学研究科電気工学専攻博士修了、工学博士取得
1984年4月 カナダ オタワ大学工学部電気工学科ポストドクトラルフェロー
1985年5月 カナダ オタワ大学工学部電気工学科講師
1986年4月 慶應義塾大学理工学部電気工学科助手
1988年4月 慶應義塾大学理工学部電気工学科専任講師
1992年4月 慶應義塾大学理工学部電気工学科助教授
1999年4月 慶應義塾大学理工学部情報工学科教授(現在に至る)

 電子情報通信学会次期会長、創立100周年記念事業実行委員会委員長、副会長、通信ソサイエティ会長、ネットワークシステム研究専門委員会委員長、通信方式研究専門委員会委員長、IEEE Tokyo Section Chair、IEEE ComSoc Board of Governors (Member at-Large)、Japan Chapter Chair、Asia Pacific Regional Director、Satellite and Space Technical Committee Chairなどを歴任。電子情報通信学会フェロー、IEEE Senior Member。
 衛星通信、ディジタル変復調方式、移動体通信、ワイヤレス通信、通信ネットワーク、非対称ディジタル加入者線通信方式(ADSL)、光通信理論、情報理論、ネットワークセキュリティ、赤外線室内通信、アドホックセンサネットワーク、光分割多元接続(CDMA)、波長分割多重アクセス(WDMA)、非同期転送網(ATM)スイッチ、レーダなど、情報通信工学の広範囲な研究テーマに対して学生と楽しく研究に励んでおり、これまでに、学術誌論文296編、国際会議論文445編などの研究成果を発表。第1回本会通信ソサイエティマガジン賞「難関国際会議への論文投稿を通じた若手の育成-持続可能な研究コミュニティの確立-(No. 40, 2017年3月掲載)」、直接研究指導した博士修了者は45名、修士は180名以上(留学生も8名が博士号取得)。(博士取得者のうち、25名は大学教員(教授20名)、20名は企業や官庁で活躍、ベンチャー社長も輩出)研究内容・発表論文の詳細は、http://www.sasase.ics.keio.ac.jp 参照。

3度目のニューノーマルに向けた、電子情報通信学会における活性化・改革への取り組み

今回のコロナ禍に起因する3度目のニューノーマルに向けて、情報通信技術の研究開発に携わっている私たちには、テレワーク、オンライン教育・医療等など、様々な分野の課題解決に向けて、「情報通信技術の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ためにデジタルトランスフォーメーションを一層推進することが求められている。
本会も、2020年6月に、「コロナ後の新たな電子情報通信技術の発展に向けて」と題して、
①働き方改革の促進、
②レジリエントで安全な社会の構築、
③新たなICT活用の促進、
④新たな教育システムへの貢献、
⑤全ての人々にICTを、
の5項目の会長声明を出し、総力を挙げて、コロナ後の生活が安全で実りのあるものになるように、技術開発を進めている。
ここでは、3度目のニューノーマルに向けた、本会における活性化・改革への取り組みについて述べる。


阪口 啓

阪口 啓

東京工業大学 工学院 教授 /東京工業大学 超スマート社会卓越教育院 教育院長 /株式会社オロ 社外取締役

1992年 大阪府立三国丘高等学校 卒業
1996年 名古屋工業大学 工学部 電気情報工学科 卒業
1998年 東京工業大学 総合理工学研究科 物理情報工学専攻 修士課程修了
2000年 東京工業大学 助手
2006年 東京工業大学 博士(学術)
2008年 東京工業大学 理工学研究科 准教授
2012年 大阪大学 工学研究科 准教授
2015年4月 東京工業大学 理工学研究科 准教授
2015年8月 フラウンホーファー・ハインリッヒ・ヘルツ通信技術研究所 研究主幹
2017年4月 東京工業大学 工学院 電気電子系 教授(現在に至る)
2018年3月 株式会社オロ 社外取締役(現在に至る)
2019年12月 東京工業大学 超スマート社会卓越教育院 教育院長(現在に至る)

受賞歴
2005年6月 論文賞、電子情報通信学会
2006年9月 チュートリアル論文賞、電子情報通信学会通信ソサイエティ
2008年10月 挑戦的研究賞、東京工業大学
2012年5月 論文賞、電子情報通信学会通信ソサイエティ
2013年5月 論文賞、電子情報通信学会通信ソサイエティ
2013年7月 総長奨励賞、大阪大学
2014年7月 総長奨励賞、大阪大学
2015年5月 論文賞、電子情報通信学会通信ソサイエティ論文賞
2019年3月 電子情報通信学会フェロー

5Gが切り拓く超スマート社会 〜オープンイノベーションとオープンエデュケーションの融合〜

2020年満を持して5G(第5世代移動通信システム)の商用化が始まった。移動通信システムは約10年に一度、その通信規格の世代交代を繰り返しているが、更に大きな視点で見ると約20年の周期で大きな社会変革を起こしている。すなわち2000年から2020年までの3Gと4Gで、スマホ社会という人類の誰しもが日常的にインターネットに繋がる社会を構築した。では、2020年に始まる5Gと2030年に始まる可能性のある6Gで引き起こされる社会変革とは 何であろうか?それは「超スマート社会」である。

我々が想像出来る範囲の超スマート社会の例を挙げてみよう。 それは自動運転転のタクシーやバスが活躍するスマートモビリティであったり、ドローンが空から宅配を行うスマートスカイであったりする。コロナ禍の影響により、その一部であるリモートワークや無人ロボットによる宅配は、既に身近なものと成りつつあり、社会が変革し始めていることが分かる。これらの超スマート社会は、その背景にある技術は共通で、 サイバー空間とフィジカル空間に跨る5つの構成要素から成っている。そして5Gおよびその後継が、これらの構成要素をその要求条件に応じて接続することによって、スマートモビリティ、スマートスカイなどの新たな社会変革が実現する訳である。

この様な新しい社会変革のスタート地点に立つ我々にとって、社会と連携して新しい未来を創造するオープンイノベーションと、社会と連携してその未来を支える人材を育成するオープンエデュケーションが重要になっている。
本講演では、これらの目標を達成するために近年設立された、超スマート社会推進コンソーシアムおよび超スマート社会卓越教育院の取り組みを中心に、5Gが切り拓く超スマート社会を紹介する。


高安 美佐子

高安 美佐子

東京工業大学教授/東京工業大学ビッグデータ数理科学研究ユニットリーダー

1987年 名古屋大学理学部物理学科卒業。
1993年 神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了(物質科学専攻)、博士(理学)。
1997年 慶應義塾大学助手。
2000年 公立はこだて未来大学助教授。
2004年 東京工業大学助教授。
2007年 東京工業大学准教授。
2017年より東京工業大学教授、東京工業大学ビッグデータ数理科学研究ユニットリーダー、日本学術会議連携会員。
専門は、統計物理学、モデリング、ビッグデータ解析。著書は、「マルチエージェントによる金融市場シミュレーション」(コロナ社)、「学生・技術者のためのビッグデータ解析入門」(日本評論社)、「計算と社会(岩波講座計算科学第6巻)」(岩波)など。

ビッグデータに基づく社会・経済の科学とその応用

今世紀に入り、社会や経済における様々なデータに基づいた新しい科学が急速に発展してきています。詳細なデータを解析して経験的な法則性を見出し、それを説明しうる数理モデルを構築して制御や予測につなげるという自然科学で確立した研究手法をそのまま社会や経済の現象にも当てはめることができることがわかってきたからです。ここでは、金融市場、企業取引ネットワーク、ブログなどのSNS、コンビニのPOSデータ、そして、スマホのGPSなど様々なデータからどのようにして法則を見出し、モデリングを行い、そして、応用をするか、という研究の流れを、事例を通していろいろと紹介します。研究のコアになるモデリングにおいては、物理学で使われている基本的な数理モデルがしばしば重要な役割を演じます。例えば、国内約100万社の企業間の取引ネットワークに関する研究では、このネットワーク構造上での企業間のお金の流れを記述する方程式は「重力モデル」とよばれおり、それは企業を星に見立てたニュートンの万有引力の法則を拡張したような形になっています。この連立100万元の方程式を解くことにより、例えば、大地震が起こってある地域の企業活動が停止した時の被害を推定するような実用的な応用が可能となります。

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